【東京都北区】近代日本建築の正直レビュー@大谷美術館

旧古河庭園の中で、圧倒的存在感を放つ洋館「大谷美術館」。

こちらは、鹿鳴館や、三菱一号館、ニコライ堂などで知られるジョサイア・コンドルの設計。
残念ながら、建物内は一切の撮影が禁止されています。
旧古河庭園の入園料(150円)とは別に、入館料(400円)を支払うことで内部を見学できます。
来賓客用として利用されていた1階は洋風建築、日常生活用として利用されていた2階は和風建築になっています。
大正時代の姿を残した貴重な建物ですが、空調設備もないので夏は暑いかもしれません。

現在は、1階の一部の部屋は喫茶室としても利用されています。
2階の大部分は、非公開。ネットからガイドツアー（別料金）を申し込んだ方のみ、見学できます。（実施日が限られているので要確認）

今回は、初めて喫茶室と一般見学をしてきたので、正直レビューです。

喫茶室を利用する方は、入り口でメニューを決めて注文します。
メニューは、紅茶(750円)、コーヒー(850円)、ジュース(650円)。
紅茶は、いくつか種類があって選べます。
パウンドケーキ(650円)がついた、セットメニュー(1,400円)もあります。
私は、季節限定のローズパウンドケーキと、ルイボスティーをセットで注文してきました。

喫茶室の利用は40分までですが、特に厳密にはチェックされていないようでした。
この日は空いていたため、40分を過ぎても何も声をかけられませんでした。
周りで声をかけられている方もいませんでした。混雑をしてくると、退席を促されるようです。

全部で3部屋が喫茶室として利用されていて、混雑状況によっては座席の希望を出せるようです。
部屋によって雰囲気がまったく異なるので、ご迷惑にならない程度に要望出してみても良いかも知れません。私は、窓際の席をお願いしてみたところ、快く対応してもらえました。
各テーブルごとにお花が飾られており、窓越しに見るバラ園の景色とも相まって優雅な気分にさせてくれます。
なお、喫茶室専属のスタッフはいないようなので、サーブサービスは期待しないようにしましょう。

パウンドケーキは、しっとりとした食感の割に、重くなく、上品な風味でオススメ。
紅茶は、WEDGEWOODのワイルドストロベリーのティーカップで提供され、贅沢なティータイムを演出してくれます。
ポットサービスを期待していましたが、残念ながらカップサービスでした。
写真のシュガーポットが紛らわしい、、、

食事が終わった後は、勝手に退席していくスタイル。
専属スタッフがいないので、どうすれば良いか分からず、少し戸惑いました。
喫茶室の利用と、館内利用の料金を支払いましたが、それについての案内もありませんでした。
特にチケットもなかったので、どうしようかと思い、入り口のスタッフに声をかけると「どうぞ、ご自由に回ってください」と言われました。
正直、喫茶室を利用した方なら誰でも勝手に館内を見て回れる状態だったので、もやもやしました。

1階のお部屋は、全部で5室。
喫茶室として利用されている応接室や大食堂の他に、撞球室（ビリヤード室）など2室は、一般見学エリアとして見られます。
部屋ごとにコンセプトがあり、まったく異なる雰囲気。まさに豪邸と呼ぶにふさわしいこの邸宅での当時の生活を想像しながら、羨ましくもあり、憂愁も感じます。
天井などに施された彫刻は、一見の価値があります。

2階のお部屋は、洋室の主寝室や、和室の客間・仏間、肩まで浸かれる浴室などがあるようですが、基本的にはガイドツアーでしか見ることができません。
仏間の一部分だけ、隙間から見ることができました。

この2階からは別棟につながっており、2つの企画展示を見ることができました。
特に、ジョサイア・コンドル氏の経歴や、日本文化との関係について紹介された展示は、とても興味深く楽しめました。建築だけでなく、画家としても活躍されたようで、他の作品も見たくなりました。
もう一つは浮世絵の展示で、浮世絵の見方について解説した資料もあり、学びなら鑑賞できました。
どちらも小さなお部屋での展示なので、ボリューム感は少なめ。じっくり見ても20～30分あれば、十分。

全体的な感想としては、内容は満足ですが、金額的なバランスを感じるとちょっと割高というか、料金体系が複雑なので簡素化して欲しいなと感じました。
ケーキはとても美味しかったですが、そこそこのお値段の割にポットサービスではなかったり、他のお部屋の見学に追加料金がかかるとか、それでも2階の部屋は見れない、というあたり。
個人的には、喫茶室を利用したら、館内も無料で見れるようにしてほしかったかな。
2階もほとんど見ることができないし、ガイドツアーの開催もかなり限られているので、残念でした。

次回は、予約をしてガイドツアーで参加したいなぁと思います。