毎年定期的に開催されている、東京都庭園美術館の建物公開。
今年は、8月24日まで開催されています。夏開催は、6年ぶりだそう。今週末のお出かけ先をお探しの方には、ぜひオススメ!
確かに、夏だからこそ涼しい屋内の時間を楽しみ、庭園も楽しめるなぁと感じました。
東京都庭園美術館は、もともと皇族朝香宮邸の邸宅として1933(昭和6)年に建てられました。
フランスのアール・デコ様式をふんだんに取り入れた建物です。一言で感想を述べるなら、豪華絢爛!外観からは全く想像できない、細部までこだわり抜かれた内装でした。
その後、1947年に政府所有となり、吉田茂内閣時代には首相公邸として使用されました。
1955年には、国賓などを迎える迎賓館としても活躍。
迎賓館の役目を終え、しばらく経った1983年から現在に至るまで東京都庭園美術館として、公開されています。
今回の展示では、旧朝香宮邸時代、吉田茂首相公邸時代、迎賓館時代、それぞれの時代を感じながら館内を巡ることができます。
個人的見どころは、照明とラジエターカバー。余裕があれば壁紙も見て欲しい。
ひとつとして同じ内装のお部屋が有りませんでした。
まずは、大広間。

蝋燭をひっくり返したような照明が可愛い。中庭を臨めたり、美しい壁画を見ながら、過ごしたのだろうか。

次室(つぎのま)の、香水塔。大広間と大客室を繋ぐ前日。大きな窓から見える庭園が、贅沢。

そして、大客室。

豪華なシャンデリア、天井の彫り模様、庭園風景が描かれた壁紙、金屏風を思わせる重厚な扉、どこをとっても芸術的!

ちなみに、ほとんどの部屋に暖炉がありますが、実はダミーとのこと。使用されている大理石が部屋ごとに違うのも面白い。
大客室の隣には、大食堂。圧巻!壁には、日本ならではの彫刻が施され、庭園側の窓は円形に配置されています。まさに曲線と直線が競演する、アールデコ建築。

ラジエーターカバーには、たくさんのお魚さんが泳いでいました。

天井の照明は、とっても美味しそうなフルーツ。

大食堂の為につくられた暖炉と、壁画。よく見ると、ランプにも葡萄ありました。

大広間にもどって、2階へ向かう。

階段すら、美しい。

日本を感じさせるラジエーターカバー。廊下の壁にも、しっかりと模様があります。場所によって、模様が違うのも楽しい。

こちらは、吉田茂が首相公邸時代に使用していた書斎。南東に大きな窓がある間取りで、この建物内の一等地。

デスクの上もできる限り当時をイメージして再現されていました。照明が間接照明で、ランプが直接見えない位置にあるのもオシャレ。
書斎の隣は、応接室のようなお部屋。

アーチを描いた天井。壁紙とカーテンも合わせてます。

個人的イチオシスポットは、こちらのサンルーム。2階から緑いっぱいの庭園が見られます。冷房効いていて、椅子があるのも嬉しい。

妃殿下居間。丸い照明が印象的。暖炉の黒い大理石は、落ち着きを感じさせます。

北の間(北側ベランダ)。中庭が見える屋内ベランダ。タイル床が趣を感じさせます。

この北の間の窓越しに、初公開となる第二浴室を覗けます。

星みたいな、廊下の照明。

お部屋の名前を失念してしまいましたが、、、暖炉の中にミニチュア展示がされているお部屋がありました。

ミニチュアの床にあたる部分は、暖炉をそのまま採用。壁紙は、お部屋の壁紙と同じメーカーさんのものを取り寄せたらしい。可愛かった〜

ウィンターガーデン。屋上に作られた、温室。床は人工大理石で、壁の部分は国産大理石だけど、パット見気付かないほどの高い精度。

小食堂。朝香宮邸時代に、日常的に使われていただけあって、“和”のお部屋。床の間もあります。

ラジエーターカバーも市松模様。

まだまだ見どころ沢山!各お部屋はもちろん、廊下も階段も、建築に詳しくない筆者でも、思わずため息が漏れるほどの美しさで溢れていました。
この機を逃すと、また1年ほどは見られなくなってしまうので、今週のお出かけ先をお探しの方は候補に入れてみて!
なお、8月22日金曜日は、特別企画「サマーナイトミュージアム2025 夜会 ~ART DECO NIGHT GARDEN PARTY~」も同時開催。17:00〜22:00まで様々な催しが予定されています。(建物公開は21:00まで)
- 『建物公開 時を紡ぐ館』
- 2025年6月7日(土)〜8月24日(日)
- 月曜休館
- 東京都庭園美術館(本館+新館)
- 東京都港区白金台5-21-9
- アクセス
- 10:00〜18:00(最終入館17:30)
- 料金
- 一般 1,000円
- 大学生 800円
- 高校生·65歳以上 500円